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再生可能エネルギー電源に関連する発電コストは低減(GSGF白書の公開)

分散型電源の導入状況と市場への影響

GSGF内で2012年から1年以上にわたって活動していた3つのワークグループのうち、「分散型電源の系統接続性」について検討を行ってきたグループの活動成果である白書が公開されました。
第1弾「EVの系統相互作用とインターフェース(Grid Users Interactions and Interfaces)」、第2弾「相互運用性(interoperability)」に続いて最後の報告書となります。
分散型電源について、経済、技術、規制の3つの側面から検討を行ってきたもので、アイルランド、オーストラリア、カナダ、韓国、台湾、デンマーク、日本、ノルウェー、米国の9ヶ国からメンバーが参加しました。

▼GSGFプレスリリース(英語)
http://www.globalsmartgridfederation.org/2014/08/26/costs-for-renewable-distributed-generation-on-the-decrease/

 

 

グローバル・スマートグリッド・フェデレーションによる分散型電源の世界的概況

(プレスリリース仮訳) ※9月5日一部修正
 
電力システムの展望は世界規模で急速に変化している。一般に、電源構成や配電システム構成は、国によって異なる特徴を見せるのだが、GSGFの「分散型電源の電力系統への接続性」ワークグループの調査結果によれば、世界の大部分の国では分散型電源の連系が大幅な増加傾向を示しており、再生可能エネルギー電源に関連する発電コストは低減している。GSGFで行われてきた3つのワークグループ活動の最後の成果報告となる本報告書では、分散型電源の系統接続性に関わる課題と、その解決案を示している。
 

 GSGF白書「分散型電源の系統接続性」(PDF)


経済面
世界中の政府機関が、再生可能エネルギーを利用した分散型電源に関わる環境目標と、電源構成が電気料金に与える経済的影響のバランスを取ろうとしている。再生可能エネルギー電源に関連する発電コストが低減していることから、技術の成熟と費用対効果の向上に合わせて、政府は規制やインセンティブのスキームを再調整したり、または打ち切ったりし始めている。いくつかの市場では、既に従来の電源の取引価格を下回るなど、再生可能エネルギーによる発電が市場に良い影響を与えている例もある。更に、カナダやオーストラリアなどの農村地帯や、自然災害後の日本においても、分散型電源はそのシステムの信頼性を高めている。また、分散型電源は、新しい施設の建設やインフラ整備などにより経済発展を活性化し雇用を生み出すと考えられている。最後に、分散型電源の導入増加は他国へのエネルギー依存を低減し、欧州の重要な焦点でもある国家のエネルギー供給の安定性を高めるものでもある。

 

技術面
技術的視点から見て、配電システムレベルにおける分散型電源の連系に関連する大きな課題は、電力品質の維持、電圧と周波数レベルの調整、送電時の電力ロス、負荷の増加、標準規格化および相互運用性である。これらの課題に取り組むべく、スマートグリッドと分散型電源の連系に関連して公的資金によるR&Dプロジェクトが多くの国で行われている。老朽化した電力インフラの取替えにかかる膨大な費用と追加容量への投資を軽減するために、分散型電源の連系に向けて、需要家側で積極的に需要調整に参加するアクティブ・ディマンド・パーティシペーションの可能性を模索している国も複数ある。さらに、送電レベル(例:揚水発電)および配電レベル(例:電気自動車)の両方における電力貯蔵も多くの関心を集めている。

 

規制面
政策は通常(特に欧州では)エネルギー供給の安定性の確保、持続性、および競争性に基づいている。しかし大きな課題は、規制措置は頻繁に変わり、国によって、又は国内であっても異なるということである。規制が複雑で不安定であるため、投資家は革新的なアイデアに投資することを渋る。そのうえ、電力事業者や系統運用者は費用対効果に特に重点を置く規制に縛られており、研究開発費投入の動機を削いでしまう。技術的標準規格がないことは、しばしば分散型電源の接続プロセスを妨害するため、再生可能エネルギーによる発電を推奨し活性化するべく、時代遅れの規制の見直しが多くの国で行われている。固定価格買取制度、減税、助成金、電力購入契約、融資保証、または償却期間の短縮といった方法が見られるが、このような対策により分散型電源への投資は大幅に増加している。各国の施策成功例として、スウェーデンとノルウェーのグリーン電力証明制度(The green certificate scheme)、米国のサード・パーティー・ファイナンス・オプション(Third-party financing options)、およびカナダのオンタリオ州で導入された固定価格買取制度(FIT: 10KWを超える事業)および小規模固定価格買取制度(Micro-FIT: 10KW以下の事業)などがある。

 

プレスリリース(JSCA英語サイト): https://www.smart-japan.org/english/reference/l3/Vcms3_00000049.html