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テクニカルライブラリー

¶ テーマ1 マイクログリッド                          

はじめに

本内容は、NEDOウェブサイトで公開中の「新エネルギー等地域集中導入ガイドブック」の内容を改めて紹介したものである。

▼「新エネルギー等地域集中導入ガイドブック」
NEDO技術開発機構が平成15年度~19年度の5ヶ月にわたり実施した「新エネルギー等地域集中実証研究」の3プロジェクト(プロジェクトの概要は本編第2章、および別冊に記載)の成果や知見をベースとして、新エネルギーを活用したマイクログリッドシステムを導入する際の手引きとしてとりまとめたものである。3プロジェクトとは、
 ・「2005年日本国際博覧会・中部臨空都市における新エネルギー等地域集中実証研究」(以下、愛知プロジェクト)
 ・「京都エコエネルギープロジェクト」(同、京都プロジェクト)
 ・「八戸市 水の流れを電気で返すプロジェクト」(同、八戸プロジェクト)
である。

▼目次
新エネルギーの導入拡大
マイクログリッドとは?
日本で実施した3つのマイクログリッドプロジェクトまとめ
海外事例まとめ
用語解説集

新エネルギーの導入拡大

   



■新エネルギー導入拡大の意義
地球温暖化問題への対応や、有限な化石燃料資源への依存度の低減、エネルギー輸入依存の低減・自給率の向上、地域資源(太陽、バイオマス、風力など)の活用による未電化地域の解消などの観点から、新エネルギーの導入が世界的に活発となっている。

日本における新エネルギー導入は2005年度1,160万原油換算kl に達し、一次エネルギー供給の約2%を占めている。2008年5月に発表された「長期エネルギー需給見通し」によると、今後の新エネルギーの導入見通し(最大導入ケース)としては、2020年度に2,036万原油換算kl、2030年度には3,202万原油換算klと、それぞれ2005年度実績の約2倍、約3倍の導入が期待され、その結果、水力・地熱発電を加えた再生可能エネルギーは2030年度には一次エネルギー国内供給の約11%を占めると見通されている。
 

図表1‐1 我が国の新エネルギー導入の見通し

出典:長期エネルギー需給見通し(経済産業省、2008年5月)



■新エネルギー導入拡大の課題
 このように導入拡大が期待されている新エネルギーではあるが、普及に向けてはいくつかの課題が残っている。主には以下の点を挙げることができる。
 ・ 高コストであること
 ・ 出力が不安定であること
 ・ 電力系統へ影響を及ぼす可能性があること
 コストに関しては、確かに現状では系統電源と比べて割高ではあるものの、技術開発や導入普及により、着実に低下しつつある。今後も更なる技術開発や普及の促進により、例えば太陽光発電に関しては、2010年に23円/kWh(家庭用電気料金並み)、2020年に14円/kWh(業務用電気料金並み)、2030年に7円/kWh(火力発電原価並み)と、従来電源と比較しうるコストまで低減する目標が掲げられている。
 太陽・風力などの自然エネルギーを用いた発電設備は自然まかせであることから出力が不安定となり、単体での導入が拡大することで電力系統への負担が増加してしまう可能性がある。たとえば電気事業連合会の試算では、風力発電は現在の約3倍にあたる500万kW程度、太陽光発電は局所的な集中設置の場合を除いて、現在の約7倍の1,000万kW程度を超えると、大規模な系統設備対策等が必要になってくるとしている。このような自然変動電源の出力変動対策として、様々な方法が提案・検討されている。NEDO技術開発機構による委託事業だけを対象としても、図表1‐3に示すような
 ・ 商用系統運用者側で対策を行うもの
 ・ 発電事業者が対策を行うもの
 ・ 設置者側にて対策を行うもの
などがあり、それぞれの観点から自然変動電源が商用系統に与える影響をいかに抑えるかについて調査・研究がなされ、課題の解決に向けた取組が進められている。

 

図表1‐2 太陽光発電・風力発電の出力変動例
出典:「八戸市 水の流れを電気で返すプロジェクト 成果報告書」(NEDO)


 

図表1‐3 自然変動電源の出力変動対策に係るNEDO 技術開発機構委託事業の概要
*長所および課題については八戸プロジェクト実施者の見解
出典:「八戸市 水の流れを電気で返すプロジェクト 成果報告書」(NEDO)をもとに、一部改

 

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