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マイクログリッドとは?

   

■マイクログリッドとは?
 「新エネルギーの導入拡大」で述べたように、太陽光発電や風力発電といった自然変動電源が大量に普及すると、電力系統に影響を及ぼす可能性がある。その課題解決を目指し、新エネルギー等地域集中実証研究は、複数の自然変動電源(太陽光発電、風力発電)の出力変動や需要変動を、ガスエンジンなどの制御可能な電源を用いることによって補償し、連系する商用系統への影響を極力抑えることを目的に実施された。
 このように、ある一定の需要地内で複数の自然変動電源や制御可能電源を組み合わせて制御し、電力・熱の安定供給を可能とする小規模な供給網は「マイクログリッド」と呼ばれる。マイクログリッドでは複数の需給設備を一つの集合体としてみなして、電力系統に連系される。新エネルギー等地域集中実証研究のシステム形態も、マイクログリッドの一形態と見なすことができる。
 

図表 1-4 新エネルギー等地域集中実証研究システムの概念
出典:NEDOホームページ


 「マイクログリッド」は1999年に米国エネルギー省傘下のローレンスバークレー国立研究所が中心となり、大学、電力会社、メーカー、公的研究機関等が参加するCERTS(The Consortium for Electric Reliability Technology Solutions:電力供給信頼性対策連合)によって提唱された。CERTSではマイクログリッドを以下のように定義している。
  ① 複数の小さな分散型電源と電力貯蔵装置、電力負荷がネットワークを形成する一つの集合体
  ② 集合体は系統からの独立運用も可能であるが、系統や他の「マイクログリッド」と適切に連系することも可能
  ③ 需要家のニーズに基づき、設計・設置・制御される
 マイクログリッドが持つ需給バランス調整機能、電圧・周波数の制御機能、電力系統へのアンシラリーサービスの提供可能性などから世界中で高い注目を集め、日米欧を中心に研究開発が進められている。
 一方、「マイクログリッド」という言葉は、システム規模や形態などまだ厳密には定義されておらず、図表1-5に示すように、マイクログリッド型のエネルギー供給システムとして捉えられている範囲は広い。例えば、無電化村や離島での電力供給を目的としたもの(系統連系していないケースが多い)、太陽光発電や風力発電といった自然変動電源の大量導入を目的としたもの、電力品質の向上を目指したものなど、多様な用途を含んでいる。また規模的にも蓄電池を除いた供給能力が数十kW のものから数MW のものまで拡がっている。
 

図表 1-5 マイクログリッドの分類と構造
出典:IEEE power&energy magazine(Vol.6、No.3、2008)をもとに(株)三菱総合研究所作成


■マイクログリッド導入の意義
 マイクログリッド導入の意義については、各地の電力系統の特性の違いに応じて、日米欧で異なる観点が強調される。
 例えば米国では、1996年や2003年の大停電に象徴されるように電力系統の信頼性が課題となっており、需要家自らが品質を確保する一手段としてマイクログリッドは捉えられている。欧州では再生可能エネルギーの導入拡大や、ギリシャの離島などでの自立したエネルギーシステムの構築が主な目的となっている。日本では再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギー、省CO2などの観点に加えて、地域資源の活用の観点も重要視されている。
 このように地域によって主目的はやや異なるものの、総合すると図表1-6に示す意義に基づき、各国でマイクログリッドの研究・導入が進められている。
 

図表 1-6 主なマイクログリッド導入の意義
出典:各種資料をもとに(株)三菱総合研究所作成

 

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