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カナダ31

 カナダのマイクログリッド研究は、土地が広大で島も多いという地域特性から、特に遠隔地での電力供給への適応に重点が置かれている。
 カナダでは数百ものディーゼルエンジンを用いたミニグリッドがあるが、燃料が高騰しているため、その代替技術が至急必要とされている。そのため、マイクログリッドによる制御可能な化石燃料電源と、制御できない再生可能電源の組合せによる自立的なシステム運用技術の開発が進められている。技術開発テーマは、システムの安定性、電力品質の確保、再生可能エネルギーの導入規模と制御方式の検討である。
 この実証研究事例を以下に示す。

 ●Nemiah Valley Mini-Grid
 ・既存のディーゼル発電を再生可能エネルギーで置き換える
 ・最終的に40kW程度の太陽光発電(現状27kW程度)まで導入する予定で、そのため、知的ロードコントローラーも導入する計画
 ・現在は、モニタリングと分析を実施中
 

図表2-45 システム概要


 ●Ramea island wind-diesel mini-grid
 ・既存のディーゼルエンジンと風力発電からなるミニグリッド系統で、ディーゼルエンジンの利用を最小にするための研究
 ・研究課題は、ディーゼルエンジンサイズの最適化、負荷制御、自立運転の分析とシミュレーションのためのソフトウェアの改良、風力発電のマネジメントのための電力貯蔵の研究
 

図表2-46 システム概要


31 Kythnos 2008 Symposium on Microgrids 資料 (https://building-microgrid.lbl.gov/symposium/kythnos-2008-symposium-microgrids)

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韓国32

 韓国では、2007年に相次いで研究センターとプロジェクトを立ち上げた。
 2007年6月に設立されたResearch Center for Intelligent Micro-Grid では主に直流マイクログリッドを扱い、7月設立のプロジェクトであるDevelopment of integrated energy management system for Micro-Grid では、交流マイクログリッドを扱う。

① Research Center for Intelligent Micro-Grid
 センターの目的は、直流給電による分散型電源の連系とデジタル需要への高品質の電力供給のためのコア技術の開発であり、そのために配電技術の開発、電力変換技術の開発、制御/通信技術の開発、知的マイクログリッドのためのシミュレーションモデル開発、そしてハードウェア開発を行う。研究は産学連携で行われ、大阪大学も名を連ねている。研究グループは目的に添って、配電技術、電力変換技術、そして制御/通信技術の3つのグループに分かれて進められ、最終的に統合される。
 プロジェクト期間は2007年6月~2011年5月までの4ヶ年で、全体予算は、US$2.72百万(約3億円)(そのうち政府からUS$1.84百万、約2億円)である。
 

図表2-47 コア技術の開発
 
図表2-48 プロジェクト体制
 
図表2-49 直流マイクログリッドの概要


② Development of integrated energy management system for Micro-Grid
 プロジェクトの目的は、高い信頼性と効率の電力系統のための技術開発と、都市・地方システムのためのキーデバイスの開発、及びパイロットプラントの開発である。研究項目は大きく3つあり、モジュラー/標準デバイス開発、運用システムの開発、パイロットプラントの建設と性能評価である。
 プロジェクト期間は2007年7月~2012年6月までの4ヶ年で、全体の予算は、US$14.65M百万(約16億円)(そのうち政府からUS$7.3百万、約8億円)である。
 

図表2-50 交流マイクログリッドのパイロットプラントシステム
 
図表2-51 研究項目


32 Kythnos 2008 Symposium on Microgrids 資料 (https://building-microgrid.lbl.gov/symposium/kythnos-2008-symposium-microgrids)

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シンガポール33

 シンガポール科学技術庁(Agency for Science, Technology & Research :A*STAR)の科学技術研究カウンシルは、知的エネルギー分配システム(Intelligent Energy Distribution Systems:IEDS)プログラムを定め、マイクログリッドプロジェクトに資金を配分している。IEDSの資金は10Millionシンガポールドル(約7億円)で、マイクログリッドを含む10のプロジェクトを実施している。
 マイクログリッドプロジェクトは、Microgrid Energy Management Systemという題名でNTU(Nanyang Technological University)がリーダーである。研究の概要は以下の通りである。

【マイクログリッドの研究施設】
 ・Jurong島に、マイクログリッドと分散型電源の実験施設を設置する
 ・自立運転、もしくは連係 モードのテストを可能とする
 ・2009年第4四半期までに完成の予定(第1フェーズ)
 ・2010年半ばまでに追加の設備導入(第2フェーズ)

【設備構成】
 ・総容量は約1MW
 ・様々な燃料電池を導入(様々な規模、燃料)・・・PAFC、PEMFC、SOFC、MCFC
 ・燃料/太陽熱によるスターリングエンジン
 ・様々な種類の太陽光発電
 ・ハイブリッド自動車/電気自動車・・・Vehicle to Grid
 ・大規模バッテリー、電気二重層コンデンサ
 ・内燃エンジン(従来型、バイオ燃料)
 ・マイクロタービン

33 Kythnos 2008 Symposium on Microgrids 資料 (https://building-microgrid.lbl.gov/symposium/kythnos-2008-symposium-microgrids)

▼本テクニカルライブラリーの内容を含む「新エネルギー等地域集中導入技術ガイドブック」はこちら
www.nedo.go.jp/content/100083461.pdf
 

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