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系統運用支援において蓄電池によるエネルギー貯蔵が持つ有望性

電力系統での電力貯蔵は、制度的な支援があれば経済的に現実的な見込みがあることを、世界的な視点でグローバル・スマートグリッド・フェデレーションが指摘

2016年1月28日、GSGFは、系統における電力貯蔵に関する報告書(「系統用蓄電池に関する白書」)を発表した。本報告書は電力系統への蓄電池利用の持つ可能性を、実用普及性のあるものとしてグローバルな視点から評価している。GSGFの想定では蓄電池は今後、周波数調整へ活用され、次いで地域でのピークシフトへの利用が進む見込みである。そうなれば蓄電池の生産も増す一方で生産コストは減少するので、マイクログリッドや再生可能エネルギー統合への利用等、他への応用の機会が増える。とはいえ、蓄電池技術についてのGSGFの展望が現実になるかどうかは制度にかかっている。

蓄電池についてはこれまで、従来のソリューションに比して経済的コストが高すぎるという見方が多い。一方、GSGFの系統用蓄電池ワーキンググループは本白書において、蓄電池が系統に関する課題解決のソリューションとして、すでに複数の国々で市場環境が整っていることを明らかにしている。一方で、たくさんの分散した蓄電池をシステムとして制御するためには、その統合の進展させるために、より一層の開発が必要であることも指摘している。

同ワーキンググループは現在、蓄電池を実証プロジェクトへ利用することと、蓄電池が経済性のあるソリューションとなることとの間の隔たりを解決することが最大の課題であると考えている。この点について鍵となるのは、蓄電池によるエネルギー貯蔵が持つ経済的価値を適切に評価できる制度を考案することである。かかる制度の考案により、蓄電池の価格が下がり生産が増えるため、再生可能エネルギー統合(Renewable Integration)等の重要な蓄電池のアプリケーションを補助なく経済性を実現できる。

原則的に、最初に市場として形成されるのは周波数調整であり、その後、負荷平準化/ピークシフトが採算性のある市場へと発展するだろう。しかしながら、両市場の規模は限られており、最終的には再生可能エネルギー統合が採算性のある市場へと発展するだろう。再生可能エネルギー統合は蓄電池を利用したエネルギー貯蔵の最大規模の市場である。しかしこれは一般的な傾向であって、例えばマイクログリッドの活用が重要な市場となるような小規模な系統等、国により異なる点も多いだろう。

上記で挙げた市場が現実化するには、アイルランドで制度を策定中のシステムサービスのように、蓄電池の機能を評価する制度が作られねばならない。そのような制度により統合可能な再生可能エネルギー発電の潜在量が増え、電力系統の効率性が高まるだろう。

変動する再生可能エネルギー発電と分散電源の導入及び電力系統への統合はここ数年で急速に進み、今後さらに加速する見込みである。給電指令で出力制御可能な電源が減りつつあるなかで、系統における発電と需要のバランスを上手く調整する機能が必要となる。系統の信頼性を大きく向上させることができる資源のひとつが、蓄電池を利用したエネルギー貯蔵である。

 系統用蓄電池ワークグループGSGF白書 (PDF)
 系統用蓄電池ワークグループGSGF白書(日本語参考訳)(PDF)

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