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¶ テーマ3 マイクログリッドをめぐる状況と知見(GSEF白書の公開)

はじめに

11の国と3つの国際機関が加盟する国際的なスマートグリッド推進団体であるGSEF (Global Smart

Energy Federation) では、活動の成果をまとめた白書をリリースしています。本内容は、マイクロ

グリッドをめぐる状況と知見に関する白書の内容のサマリーを解説するものです。

本内容にご興味を持った方は、ぜひオリジナルの白書もご一読ください。


▼目次
1.マイクログリッドの必要性(イントロダクション・概要)
 ワーキンググループの背景
 本白書のスコープ
2.マイクログリッド展開の現状
 マイクログリッドの機能
 マイクログリッド展開の障壁
 マイクログリッドのビジネスチャンス
3.ケーススタディ
 再生可能エネルギーの普及拡大
 レジリエンシーとエネルギー安全保障の向上
 エネルギー市場取引や電気代の削減による経済的恩恵
 グリッドへの投資に代わる選択肢
4.マイクログリッド展開促進に向けた解決策の提案
 マイクログリッドの経済性の改善
 「マイクログリッドビジネスモデル」の実現 
5.結論
 付録
 付録A ワーキンググループメンバーリスト
 付録B GSGFワーキンググループ活動の背景
 付録C ワーキンググループの活動

 


概要

GSEF(注)は、スマートグリッドに関わる重要なテーマについて、ワーキンググループ(WG)を
毎年設置している。2015年には、電力網と電力エネルギー貯蔵、フレキシビリティ、サイバー
セキュリティに関する3つのWGが、また、2016年には、マイクログリッドをめぐる状況と知見を
テーマとするWGが設置された。同WGでは、世界数カ国の産業界と研究機関から招集された

メンバーが、複数のアンケート調査と会合を通じて、各々の出身国におけるマイクログリッド関連の

課題やビジネスチャンスに係る知見を共有した。


本白書では、上記活動の結果に基づいて、1) 電力系統に接続されており、かつ2) 電力系統からの
分離または制御によって間欠性発電の影響を最小化できる特性を備えたマイクログリッドに的を
絞って検討する。


本白書の構成は以下のとおりである。第1章では、マイクログリッドの概要と本白書の主要な論点を
説明する。第2章では、WGでの議論とアンケート調査を基に、マイクログリッドの様々な機能と
商業化を妨げる障壁を特定する。第3章では、マイクログリッドに関わる既存パイロット事業の
ケーススタディを紹介する。第4章では、マイクログリッドの商業化に向けた複数の解決策を提示

する。最後に、第5章で結論を述べる。


本白書では世界のマイクログリッドプロジェクトのケーススタディを紹介するが、その多くに

おいて、様々なバリューストリーム(アンシラリーサービス、デマンドレスポンス、電気代の

削減等)の分析が行われている。また、これらのプロジェクトは、マイクログリッドの自立運転を

通じて、顧客に対する付加価値としてのレジリエンシーも提供している。


本白書で取り上げたプロジェクトは、資金の全額または一部を外部からの支援(政府からの補助金

等)に頼っている。マイクログリッドの商業化を実現するためには、関連技術のコストを低減すると

ともに、ビジネスとしての収入源を明確化する必要があるだろう。


再生可能エネルギー関連技術やエネルギー貯蔵に関わるコストの急激な下落に伴って、マイクロ
グリッド技術のコストは今後数年間でさらに低下するというのがWGメンバーの認識である。その

一方で、ビジネスモデルが不明確なため、マイクログリッドの商業化は難航している。従来の

集中型システムを前提として設けられた諸規制は、マイクログリッドを始めとする新技術の導入に

合わせて再検討・修正する必要がある。現在の様々な規制の下では、マイクログリッドが提供する

サービスと価値を誰がどのように評価し報酬を与えるのか(市場経由、電力料金設定を通じて等)が

明確ではない。規制を変更することで、マイクログリッドビジネスの新たな収入源が実現する

可能性がある。収入源が明確になれば、マイクログリッドプロジェクトに関わるリスクが低減し、

資金供給も円滑化すると考えられる。今後の継続的なコスト低減と、ビジネスモデルを可能にする

規制枠組みの変更によって、マイクログリッドはパイロット事業から商業展開へ移行するだろう。


白書全文は、下記より参照願います。

<http://globalsmartenergy.org/report/category/21>

 

(注)GSEFは、本白書リリース時は、旧名称GSGF (Global Smart Grid Federation)であった。